結論:勉強時間の目安は基本情報合格者で200時間前後、未経験で400〜500時間です。合否は時間より、科目A・科目Bの過去問で6割に届くかで判断します。

後輩
基本情報に受かったんですけど、応用情報って何時間くらい要りますか?
先輩
よく言われる目安は200時間前後。ただ、合格基準は科目Aも科目Bも100点満点で60点だから、時間より「科目Aの過去問で安定して6割を超えるか」で見たほうが確実だよ。
後輩
午後が記述でキツいって聞きました。
先輩
2026年度からは「午後」じゃなくて「科目B」という名前になって、CBT方式(会場のパソコンで受ける形)になったんだ。中身は変わっていなくて、記述式で11問から5問を解く。それより大事なのは、今の試験制度が2026年度の試験で終わる予定だということ。いつ受けるかを先に決めないと、勉強時間の計画が立たないんだ。
後輩
いまから始めても間に合いますか?
先輩
後期の科目Aは2027年2月6日から。10月中旬に始めれば約16週間あるから、200時間なら1日2時間弱の計算になる。詳しくは逆算の章で見ていこう。

この記事でわかることは次の3点です。

  • 応用情報技術者試験の勉強時間の目安(基本情報合格者/IT知識あり/未経験)と、2026年度の試験日から逆算した1日の学習時間
  • 2026年度の試験制度(CBT方式・科目A/科目B・前期と後期の日程)と、過去問の使い方
  • 科目A・科目Bそれぞれの対策の方向性、科目Bの分野の選び方、合格率の最新の数字

※本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。紹介する教材は、一般的に定番とされるものや学習で有用と考えるタイプを基準に選んでいます。勉強時間・難易度の感じ方は人によって大きく異なるため、記載の時間数はあくまで目安としてお読みください。

※筆者は基本情報技術者・ORACLE MASTER Gold・Java Gold を保有する現役エンジニアですが、応用情報技術者は保有していません。本記事は合格体験記ではなく、IPA(情報処理推進機構)の公式情報と、一般に言われる目安を整理したものです。試験制度・日程は2026年10月時点の IPA 公表内容にもとづきます。受験前には必ず IPA 公式サイトで最新情報をご確認ください。



2026年度の応用情報技術者試験(CBT・科目A/科目B)

応用情報技術者試験(AP)は、IPA が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の1区分で、基本情報技術者試験(FE)の一段上に位置づけられます。2026年度は CBT 方式により前期・後期の2回実施され、試験は科目A(150分・四肢択一80問)と科目B(150分・記述式・11問出題5問解答)の2科目です。 合格には、両科目とも100点満点で60点以上が必要です。

項目 科目A(旧 午前) 科目B(旧 午後)
試験時間 150分 150分
出題形式 多肢選択式(四肢択一) 記述式
出題数・解答数 80問出題・80問解答 11問出題・5問解答
配点 各1.25点(100点満点) 問1=20点、問2〜11から4問=各20点(100点満点)
基準点 60点 60点

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CBT 方式になって変わった点と、変わっていない点は次のとおりです。

  • 変わった点:会場のパソコンで受験し、解答はキーボードとマウスで行う。科目名が「午前→科目A」「午後→科目B」になった。科目Aと科目Bは別の日に実施され、申込み時に両方を同時に予約する。試験問題は非公開になった。
  • 変わっていない点:出題範囲、出題形式、出題数・解答数、試験時間、採点方式、配点、合格基準。

つまり、2025年度までの「午前・午後」で積み上げられてきた勉強法と過去問は、名前を読み替えればそのまま使えます。 本記事でも以降は「科目A(旧午前)」「科目B(旧午後)」と表記します。

なお、試験要綱には「問題の難易差が認められた場合には基準点の変更を行うことがある」とも書かれています。60点は原則の基準点と理解しておきましょう。

※この章の内容は IPA「応用情報技術者試験」ページ/試験要綱 Ver.5.6/令和8年度 申込受付期間及び試験実施期間 より


試験日程と2027年度の制度移行

2026年度(令和8年度)の応用情報は、前期の科目Aが2026年10月28日〜11月10日、後期の科目Aが2027年2月6日〜2月19日です。 受験手数料は7,500円(税込)で、申込みは前期・後期それぞれ1回だけです。

申込受付期間 科目A 実施期間 科目B 実施期間 合格発表(予定)
前期 2026年10月6日〜11月7日 2026年10月28日〜11月10日 2026年11月24日〜12月6日 2027年2月頃
後期 2027年1月27日〜2月16日 2027年2月6日〜2月19日 2027年3月3日〜3月15日 2027年6月頃

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実施期間の中から、空席のある会場と日を選んで予約します。科目Aと科目Bの実施期間は約2週間離れて設定されているので、科目Aを受けたあとに、科目Bの最後の仕上げをする時間があるのが CBT 方式の特徴です。科目Aの得点は試験終了後に試験端末に表示されます(科目Bの得点は端末には表示されません)。

2027年度からは新試験制度へ移行する予定

IPA は、現行の試験制度を2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定としています。2026年4月時点で公表されている検討状況では、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」(マネジメント/データ・AI/システムの3区分)を、2027年度夏頃から秋頃に始める案です。基本情報技術者試験は継続とされています。

これは勉強時間の計画に直結します。現行の応用情報を受けられる最後の機会は、2026年度後期(科目Aは2027年2月6日〜19日)になる予定です。いまから学習を始めるなら、後期に間に合うかどうかを最初に確かめてください。新試験制度の内容は検討中で変わる可能性があるため、最新情報は IPA の「試験制度の見直しについて」で確認しましょう。

※この章の内容は IPA「令和8年度 申込受付期間及び試験実施期間」/「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」より


勉強時間の目安(基本情報合格者/未経験)

IPA が公式に示している勉強時間はありません。 一般に言われる目安は、基本情報合格者・実務経験者で200時間前後、IT知識が多少ある人で300時間前後、IT未経験から狙う場合で400〜500時間程度です。

前提知識のレベル 勉強時間の目安 学習の中心
基本情報合格者・実務経験者 約 200時間前後 科目Aの基礎はあるので、科目B(記述式)への対応が中心
IT知識が多少ある(情報系の学習経験・隣接職種など) 約 300時間前後 科目Aの知識の積み増しと、科目Bの記述演習の両方
IT未経験から狙う場合 約 400〜500時間 用語・概念をゼロから入れたうえで記述対策まで必要

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これらは受験者の声や教材などで一般に語られる数字で、筆者が自分で測った数字ではありません。同じ「基本情報合格者」でも、文章で答える問題に慣れているかどうかで必要な時間は大きく変わります。

そこで、合否のものさしは時間ではなく合格基準そのものに置くのが確実です。

  • 科目A:80問×1.25点なので、60点は48問正解に当たります。過去問で安定して48問以上(6割)を超えれば、科目Aは合格圏と見てよいでしょう。
  • 科目B:5問×20点で、合計60点以上が必要です。過去問を本番と同じ150分で解き、解答例と照らして6割に届くかで判断します。

時間数は「ペース配分の目安」として使い、受験してよいかの判断は演習の手応えで行う。これが現実的な向き合い方です。


試験日から逆算した学習計画

2026年度後期の科目A(2027年2月6日〜)に向けて10月中旬に始めると、使える期間は約16週間です。200時間なら1日あたり約1.8時間が必要になります。 現行制度の最後の回になる予定なので、ここから逆算して計画を立てます。

学習を始める時期 後期の科目A初日までの期間 200時間に必要な1日の時間 300時間 400時間
10月中旬 約16週間 約1.8時間 約2.6時間 約3.5時間
11月上旬 約14週間 約2.1時間 約3.1時間 約4.1時間
12月上旬 約9〜10週間 約3.0時間 約4.5時間 約6.0時間

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※計算例です。毎日同じ時間を取る前提で、後期の科目A実施期間の初日(2027年2月6日)までの日数で割っています。実際の受験日は実施期間の中で選べるので、遅い日を予約すれば少し余裕が出ます。

この表から読み取れることは2つです。

  • 基本情報合格者(200時間前後)なら、10〜11月に始めれば平日1.5時間+休日3時間程度で後期に届く範囲です。
  • IT未経験(400〜500時間)だと、後期までに必要な時間を確保するのは多くの社会人にとって厳しい計算になります。その場合は、2027年度も継続予定の基本情報技術者試験の勉強時間と勉強法で土台を作り、新試験制度の詳細を待つという選択も現実的です。
後輩
前期にも申し込めますか?
先輩
前期の申込みは2026年11月7日まで受け付けているよ。ただ、前期の科目Aは10月28日から始まるから、いまから200時間を積むのは難しい。すでに勉強を進めていた人向けの回だと考えて、これから始める人は後期に照準を合わせるのが現実的だね。

過去問の効果的な使い方(科目A・科目B別)

応用情報の勉強は過去問が中心です。科目Aは直近5〜10回分を周回し、科目Bは選ぶ分野の直近5回分前後を「書く→解答例と比べる」で深く解きます。 CBT 方式の試験問題は非公開のため、IPA が公開している過去問題は2025年度(令和7年度)までです。出題範囲・形式・配点は変わっていないので、旧午前・午後の過去問をそのまま使えます。

科目A(旧午前)の過去問:何年分・どう周回するか

科目Aは、過去問とほぼ同じ問題や類似問題が再び出題されやすいと言われています。新しい問題を次々に解くより、過去問を繰り返して「見た問題を確実に正解できる状態」を作るほうが効率的です。

無料で使える過去問演習サイト(通称「過去問道場」系のサイト)を使えば、スマホから1問単位で演習できます。基本情報で過去問道場を使った経験がある方なら、同じ要領で進められます。具体的な使い方は過去問道場の使い方も参考になります(基本情報向けの記事ですが、過去問演習の考え方は応用情報にも通じます)。

科目Aの過去問の進め方:

  1. まず直近3回分を通して解き、現状の正答率を把握する
  2. 間違えた問題に印をつけ、解説を読んで該当分野を参考書で確認する
  3. 全体を2〜3周し、「間違えた問題だけ」の周回に移る
  4. 安定して6割(80問中48問)を超えたら、残りの学習時間を科目Bに回す

科目B(旧午後)の過去問:量より「質」の使い方

科目Bの記述式は、過去問を解いて終わりにするのでは伸びません。 答案を実際に書き、IPA が公開している解答例と見比べ、「どの要素が足りなかったか・何が余計だったか」を確かめるサイクルを回します。

  • 直近5回分前後の過去問を、選ぶ予定の分野に絞って解く
  • 一問ずつ「答案を書く→解答例と比べる→足りなかったキーワードを確認する」を徹底する
  • 同じ分野を複数回分解き、「この分野はこう問われ、こう答える」という型を身につける
  • 直前期には本番と同じ150分で通し演習し、時間配分の感覚をつかむ

年度ごとの過去問の入手先や、何年分をどう選ぶかの詳しい整理は応用情報技術者試験の過去問の使い方にまとめています。

※この章の内容は IPA「過去問題」ページ(過去問題の公開範囲)/「令和8年度 申込受付期間及び試験実施期間」(試験問題の非公開・出題形式等の不変)より


基本情報との違い

基本情報との違いは「範囲の深さ」と「科目Bが記述式であること」の2つです。 勉強時間の配分もこの2点で決まります。

  • 範囲の深さ:テクノロジ系(コンピュータ・ネットワーク・データベース・セキュリティなど)、マネジメント系、ストラテジ系(経営戦略・法務・会計など)を、基本情報より一段深く問います。技術一辺倒だったエンジニアが意外と苦戦するのが、経営・法務まわりです。
  • 科目Bの形式:基本情報の科目Bは多肢選択式ですが、応用情報の科目Bは記述式です。問題文を読み取り、設問の意図に沿って字数の範囲内で要点を書く力が要ります。

基本情報合格者の場合、科目Aの基礎はある程度できているはずなので、学習の重心は科目B(記述)に置くのが効率的です。科目Aは過去問演習で知識を維持・補強し、記述演習に多めの時間を割きましょう。

難易度・評価・どちらから受けるべきかといった違いの全体像は基本情報と応用情報の違いで詳しく比べています。

※この章の試験形式は IPA 試験要綱 Ver.5.6 より


科目A(旧午前)の対策

科目Aは四肢択一の80問を150分で解き、48問(6割)以上の正解を目指します。対策の核は過去問の周回です。

  • 過去問を繰り返し解く:過去問演習サイトなら、通勤中などのスキマ時間に1問単位で演習できます。
  • 間違えた問題の解説を読み、該当分野を参考書で確認する:「解く→解説を読む→参考書で補強する」のサイクルを回します。
  • 経営・法務・マネジメント系を捨てすぎない:技術系だけで6割を取ろうとすると、取りこぼしが出ます。暗記で取れる分野なので、頻出の論点だけでも押さえておくと安定します。
  • パソコン画面で解く練習もしておく:CBT 方式では問題をパソコンの画面で読みます。画面上のメモ機能・電卓機能に加え、入室時にメモ用紙1枚と筆記用具が配られます(自分で用意したものは持ち込めません)。スマホやパソコンでの演習に慣れておくと、本番で戸惑いにくくなります。

科目Aは知識を入れれば比較的素直に伸びる科目です。早めに6割を安定して超えられる状態を作り、その後は科目Bの記述対策に時間を集中させましょう。

なお、応用情報は「多段階選抜方式」で、科目Aの得点が基準点に届かないと、科目Bは採点されずに不合格になります。科目Bの記述対策に時間を移すのは、科目Aで6割を安定して超えてからにしましょう。

※この章の配点・試験環境・多段階選抜方式は IPA 試験要綱 Ver.5.6/「令和8年度 申込受付期間及び試験実施期間」より


科目B(旧午後)の対策

科目Bは、長めの問題文を読んで記述で答える5問(各20点)を150分で解き、合計60点以上を目指します。 対策の中心は、実際に答案を書いて解答例と比べることです。

① 「読む力」と「書く力」を分けて鍛える

  • 読む力:問題文から、設問に必要な情報を正確に拾う力。記述式は答えのヒントが問題文の中にあることが多く、読み落とすと書けません。
  • 書く力:拾った情報を、字数の範囲内で過不足なくまとめる力。設問が問うていることにまっすぐ答える練習が要ります。

② 過去問の解答例と「自分の答案」を見比べる

頭の中で「分かっている」つもりでも、いざ書くと要点がぼやけたり、字数に収まらなかったりします。自分の答案と解答例を比べ、「何が足りなかったか/どこが冗長だったか」を確かめ、解答に必要なキーワードを意識して書く練習を繰り返しましょう。

③ 時間配分の練習を必ずする

科目Bは1問あたりの分量が多く、150分で5問を解く時間との戦いでもあります。直前期には本番と同じ150分で、選ぶ分野を通しで解く練習をしてください。「読み込みに時間をかけすぎて最後まで書けなかった」が典型的な失敗です。

④ 答案を「打つ」練習もしておく

CBT 方式では、解答をキーボードで入力します。紙に手で書く練習だけでなく、過去問の答案をパソコンで打ち込んでみると、本番に近い感覚で時間配分を確かめられます。

後輩
記述って、1問まるごと完璧に書けないと点にならないんですよね?
先輩
そうとは限らないよ。科目Bの1問は複数の設問に分かれているから、全部が書けなくても、書ける設問で確実に答えることが合計点につながる。満点は要らなくて、5問の合計で60点に届けばいいんだ。全部を完璧にするより、書ける設問を確実に拾う練習のほうが効くよ。

※この章の配点・解答方法は IPA 試験要綱 Ver.5.6/「令和8年度 申込受付期間及び試験実施期間」より


科目Bの分野の選び方

科目Bは問1(情報セキュリティ)が必須で、問2〜11の10問から4問を選びます。 選び方の基本は、実務に近い分野と知識で書ける分野を組み合わせ、本命より多めに準備しておくことです。

問番号 分野 解答
問1 情報セキュリティ 必須(20点)
問2〜11 経営戦略・情報戦略・戦略立案(ストラテジ)、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング(アルゴリズム)、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査 10問から4問を選択(各20点)

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選び方の基本方針

  • 実務・得意分野を軸にする:日常的に触れている分野(ネットワーク、データベース、システム開発など)は、問題文の状況が想像しやすく、記述もしやすいです。
  • 「知識で書ける分野」を組み合わせる:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査、経営戦略などは、深い技術的な読解より知識と業務理解で書ける問題が多いと言われ、技術が得意でない人の得点源になりやすい領域です。
  • 計算量・読解量の重い分野を見極める:プログラミング(アルゴリズム)のように、トレースや計算で時間を食いやすい分野もあります。自分にとって時間対効果の悪い分野は、本命から外す判断も大切です。

「本命より多めに」準備する

本番では、実際に問題を見てから解きやすいものを選べます。本命の4分野に加えて、予備の1〜2分野も準備しておくのが安全策です。机の上で「得意なはず」と思っていた分野が、過去問を解くと書きにくいこともあるので、早めに複数の分野を試してから絞り込みましょう。

※この章の分野構成は IPA 試験要綱 Ver.5.6「別紙 応用情報技術者試験 科目B試験の分野別出題数」より


合格率・難易度(IPAの統計)

応用情報の合格率は、直近の令和7年度で春期22.1%・秋期24.5%でした。 直近数回はおおむね2割台で推移しており、基本情報より一段難しい区分です。

実施回 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
令和6年度春期 55,569人 36,730人 8,677人 23.6%
令和6年度秋期 65,667人 44,243人 12,613人 28.5%
令和7年度春期 58,206人 38,663人 8,527人 22.1%
令和7年度秋期 66,835人 44,005人 10,792人 24.5%

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合格率の数字を読むときの注意点は2つです。

  • 応募者の約3分の1は受験していません(受験率は各回66%前後)。申し込んだものの準備が間に合わず欠席する人が一定数いるということで、計画倒れを防ぐことが合格への第一歩になります。
  • CBT 方式で実施する2026年度の統計はまだ公表されていません。 受け方が変わったことで数字が動く可能性もあるため、最新の数字は IPA の統計情報で確認してください。

難易度の感覚としては、地頭の勝負というより、範囲が広く、記述式という慣れの要る形式があるため、計画的に積み上げる必要がある試験と理解するのが実態に近いでしょう。過去問をどれだけ早く・継続して使い、記述に慣れられるかの勝負です。

※この章の数値は IPA 統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)推移表 より


おすすめ教材タイプ

応用情報の独学は「科目A用の参考書・過去問サイト」+「科目Bの解説が手厚い問題集」の組み合わせが王道です。 基本情報と違い、記述対策に対応した教材を別に用意する意識が大切です。

① 参考書(科目Aの知識インプット用)

科目Aの幅広い知識を入れるための参考書を1冊持っておくと安心です。図解が多く、分野ごとに整理されたものを選ぶと挫折しにくく、辞書的に「分からない論点を確認する」使い方が中心になります。

② 過去問題集(特に科目Bの解説が手厚いもの)

教材選びがいちばん効くのが、科目B(記述)の問題集です。

  • 「なぜその解答になるか」「どの要素を書けばよいか」まで解説されているか:解答例だけ載っていても、記述の組み立て方は学べません。
  • 最新年度版か:試験の名称が科目A・科目Bに変わっているので、CBT 方式に対応した説明があるかを確認します。

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応用情報技術者試験の参考書・過去問題集は毎年改訂版が出るため、購入時点で最新の試験制度(CBT方式・科目A/科目B)に対応した最新年度版を選ぶのが安全です。科目Bの記述対策は、解答の作り方まで解説された問題集を選ぶと効果が高いです。下記の検索結果から、対応年度・科目Bの解説の手厚さ・レビューを見比べて選んでみてください(価格・在庫は変動します)。

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2027年度から新試験制度へ移行する予定のため、2027年度以降に受験する場合は、教材が新試験制度に対応しているかを必ず確認してください。

③ 無料の過去問演習サイト(科目A向け)

科目Aの演習には、無料で使える過去問演習サイトが非常に役立ちます。スマホから1問単位で解け、解説もついているため、通勤中などのスキマ時間にそのまま科目A対策ができます。科目Aは過去問サイトでアウトプット、科目Bは問題集でじっくり記述演習。この役割分担が独学の中心になります。

④ スクール・講座という選択肢

独学が続かない、記述を誰かに添削してほしい、という場合はスクールや講座を使う手もあります。費用はかかりますが、学習の強制力と記述の添削という独学では得にくいメリットがあります。ただし応用情報は独学で合格する人も多い試験なので、まずは参考書+過去問サイト+問題集で始め、記述がどうしても伸び悩む場合に検討する順序でも十分です。


社会人の独学スケジュール例

基本情報合格者の社会人が、10月中旬から2026年度後期(科目A:2027年2月6日〜)を目指す約16週間のスケジュール例です。 平日1.5時間・休日3時間前後(週およそ13〜14時間)で、合計200時間強になる想定です。

時期 やること ねらい
10月中旬〜11月 科目Aの参考書を1周(完璧を目指さない)/科目Aの過去問を少しずつ開始 範囲の全体像をつかむ
12月 科目Aの過去問を周回/科目Bの問題を分野ごとに1問ずつ解き、候補の分野を試す 科目Aの土台を固め、記述に慣れ始める
1月 科目Aで6割を安定させる/科目Bの分野を本命4+予備1〜2に絞り、答案作成→解答例と比較を反復/1月27日からの申込期間に予約 科目Bの「型」を作る
2月〜3月上旬 科目Aを受験/科目Bの実施期間(3月3日〜)までの間に、150分の通し演習と予備分野の仕上げ 本番慣れと最終調整

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このスケジュールは目安です。1日2時間以上取れる人は余裕を持って進められます。IT未経験から狙う場合は、逆算の章で見たとおり後期までに必要な時間を確保するのが難しいことが多いため、基本情報から始めるか、新試験制度の情報を待つ選択も検討してください。

働きながらの学習では、科目Aはスキマ時間(過去問サイト)、科目Bは腰を据えた時間(記述演習)という使い分けが効きます。範囲の広い試験は、週末に詰め込むより毎日少しずつ触れるほうが定着します。


よくある失敗

最も多い失敗は、科目A(旧午前)ばかり対策して、科目B(旧午後)の記述演習を後回しにすることです。 つまずきやすいポイントを先に知っておきましょう。

  • 基本情報の感覚で科目Bを軽く見る:応用情報の科目Bは記述式で、基本情報の科目Bの多肢選択式とは別物です。記述演習に早めに着手しましょう。
  • 過去問を「解いて終わり」にする:「答案を書く→解答例と比べる→足りなかった要素を確認する」まで完結させて初めて力がつきます。
  • 科目Bの分野を絞りすぎる:本命4分野しか準備しないと、本番でその分野が難しかったときに逃げ場がありません。
  • 経営・法務・マネジメント系を捨てる:科目Aで取りこぼすうえ、科目Bでは知識で書ける得点源にもなる分野です。
  • 受験時期を決めずに勉強を始める:現行制度は2026年度の試験で終わる予定です。後期の日程から逆算しないと、間に合わない計画になりがちです。
  • 時間数だけを目標にする:「200時間やったから大丈夫」ではなく、科目Aの正答率と科目Bの答案の手応えで判断します。

応用情報技術者試験のよくある質問(FAQ)

応用情報技術者試験は何時間勉強すれば受かりますか?

A. 公式に定められた勉強時間はありません。一般に言われる目安は、基本情報合格者・実務経験者で200時間前後、IT知識が多少ある人で300時間前後、IT未経験から狙う場合で400〜500時間程度です。合格基準は科目A・科目Bとも100点満点で60点以上(IPA試験要綱)なので、時間数より「科目Aの過去問で安定して6割を超え、科目Bの記述で6割に届くか」で判断するのが確実です。

2026年度からCBT方式になって何が変わりましたか?

A. 変わったのは受け方と科目名です。2026年度は前期・後期の2回、全国の会場のパソコンで受験し、解答はキーボードとマウスで行います。科目名は「午前」が「科目A」、「午後」が「科目B」に変わり、科目Aと科目Bは別の日に受けます。一方で、出題範囲・出題形式・出題数・試験時間・配点・合格基準は変わっていないとIPAが明記しています。なお、試験問題は非公開になりました。

過去問は何年分解けばいいですか?

A. 科目A(旧午前)は直近5〜10回分を周回するのが一般的な目安です。科目B(旧午後)は選ぶ予定の分野に絞り、直近5回分前後を「答案を書く→解答例と比べる」の流れで深く解きます。CBT方式の試験問題は非公開のため、IPAが公開している過去問題は2025年度(令和7年度)までですが、出題範囲・形式・配点は変わっていないので旧午前・午後の過去問がそのまま使えます。

基本情報と応用情報は何が違いますか?

A. 大きな違いは2つです。1つは出題範囲の深さで、応用情報は経営・法務・マネジメント系まで含めて基本情報より一段深く問われます。もう1つは科目Bの形式で、基本情報の科目Bが多肢選択式なのに対し、応用情報の科目Bは記述式です。この記述式への対応が最大の差になります。

科目Bはどの分野を選べばいいですか?

A. 科目Bは11問出題・5問解答で、問1の情報セキュリティが必須、問2〜11の10問から4問を選びます(配点は各20点)。実務で触れている分野を軸に、プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントのように知識と業務理解で書ける分野を組み合わせ、本命より1〜2分野多めに準備しておくと、本番で難しい問題を避けやすくなります。

応用情報の合格率はどれくらいですか?

A. IPAの統計では、令和7年度春期が22.1%(受験者38,663人・合格者8,527人)、令和7年度秋期が24.5%(受験者44,005人・合格者10,792人)でした。直近数回はおおむね2割台で推移しています。CBT方式で実施する2026年度の統計はまだ公表されていないため、最新の数字はIPAの統計情報で確認してください。

2027年度以降も応用情報技術者試験は受けられますか?

A. IPAは、現行の試験制度を2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定としています。公表されている検討状況では、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」を2027年度夏頃から秋頃に始める案です。検討中の内容で変更の可能性があるため、受験時期を決める前にIPAの「試験制度の見直しについて」を確認してください。

まとめ

応用情報の勉強時間は基本情報合格者で200時間前後が目安です。2026年度後期(科目A:2027年2月6日〜)が現行制度の最後の回になる予定なので、そこから逆算して計画を立てましょう。

  • 勉強時間の目安は 基本情報合格者で200時間前後、IT知識ありで300時間前後、未経験で400〜500時間(公式の数字ではなく一般に言われる目安)。判断のものさしは科目A・科目Bとも60点という合格基準に置く
  • 2026年度は CBT 方式で前期・後期の2回。科目A(150分・四肢択一80問)と科目B(150分・記述式・11問中5問解答)を別の日に受ける。範囲・形式・配点・合格基準は従来と同じ
  • 10月中旬に始めて後期を狙うなら約16週間。200時間なら1日約1.8時間。未経験で400時間以上が必要なら、基本情報から始める選択も現実的
  • 過去問は、科目Aは直近5〜10回分を周回して6割(48問)を安定させ、科目Bは「書く→解答例と比べる」を直近5回分前後で繰り返す。公開済みの過去問は2025年度まで
  • 科目Bは問1の情報セキュリティが必須、問2〜11から4問選択。実務に近い分野+知識で書ける分野を、本命より多めに準備する
  • 合格率は令和7年度で春期22.1%・秋期24.5%。応募者の約3分の1は受験していないので、計画倒れを防ぐことが第一歩
  • 2027年度からは新試験制度へ移行する予定。受験前に IPA 公式で最新情報を確認する

応用情報は、範囲が広く記述式という壁があるものの、やるべきことの方向性はシンプルです。科目Aは過去問で固め、科目Bは早めに答案を書く練習を続ける。後期の日程から逆算して、毎日少しずつ積み上げていきましょう。

応用情報の前段である基本情報の勉強法は基本情報技術者試験の勉強時間と勉強法、その先のステップアップとして、開発系ならJava 資格の取得順序、データベース系ならORACLE MASTER 取得ロードマップも参考になります。資格を転職でどう活かすかは資格を活かした転職の進め方、資格手当と年収の関係は資格手当と年収の実情で整理しています。国家資格・ベンダー資格をまたいで「資格全体をどう積み、実務とどう連動させて市場価値を上げるか」という全体像はエンジニアのスキルアップ・ロードマップをあわせてどうぞ。


出典


最終更新日:2026年10月13日

免責:本記事は執筆時点(2026年10月)に IPA が公表している情報と、一般に公開されている情報にもとづく情報提供であり、特定の合格・成果を保証するものではありません。筆者は応用情報技術者試験の合格者ではなく、勉強時間の目安は一般に言われる数字です。勉強時間・難易度の感じ方は、個人の前提知識・学習時間によって大きく異なります。試験制度・日程・新試験制度の内容は変更されることがあるため、受験前に必ず IPA(情報処理推進機構)公式サイトの最新情報をご確認ください。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。