「午前Ⅰ・午後Ⅱ」と書かれた記事と、「科目A-1・科目B-2」と書かれた記事が混ざっていて分からない。そう感じた方に向けた記事です。

DBは2026年度からCBT方式に変わり、現行制度は2026年度の実施をもって終了する予定です(IPA公表)。いつ受けるかで、対策の前提が変わります。

書いたのはORACLE MASTER Gold を保有し、データベースを実務で扱ってきた筆者です。IPAの一次情報だけで、変更点・日程・合格率・免除・新制度を整理します。なお筆者はDBを保有しておらず、合格体験記ではありません。


この記事の結論

  • 現行制度は2026年度で終了予定。DBは後期試験(2027年2月頃)に1回だけ実施される
  • 受験方式はCBT(会場のパソコンで解答)。午前Ⅰ・午後Ⅱは科目A-1・科目B-2へ名称変更
  • 出題範囲・出題形式・出題数・試験時間は変わらないとIPAが明記。過去問はそのまま使える
  • 合格率はIPA統計で直近4年が17.2%から18.5%。応用情報(令和7年度秋期24.5%)より一段難しい
  • 2027年度の新制度の区分一覧に、データベーススペシャリスト試験という名前は無い

2026年度の変更点:CBT・科目A/B・後期に1回だけ

IPAのデータベーススペシャリスト試験のページには、実施方式・実施時期として「2026年度はCBT方式により後期に実施」と書かれています。

さらに同じページに、次の一文があります。

なお、現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度に移行する予定です。 (IPA「データベーススペシャリスト試験」)

従来のDBは秋期(10月)の年1回でした。2026年度は「秋期試験で実施していた試験区分を「後期試験」として2027年2月頃に実施予定」とされているため、DBは2027年2月頃に移ります。

試験時間・出題数(変更なし)

科目 試験時間 出題形式 出題数・解答数
科目A-1(旧 午前Ⅰ) 50分 多肢選択式(四肢択一) 出題30問・解答30問
科目A-2(旧 午前Ⅱ) 40分 多肢選択式(四肢択一) 出題25問・解答25問
科目B-1(旧 午後Ⅰ) 90分 記述式 出題3問・解答2問
科目B-2(旧 午後Ⅱ) 120分 記述式 出題2問・解答1問

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※この表は IPA「データベーススペシャリスト試験」 より

科目名の読み替え表

ネット上の対策記事や体験記は、ほぼ旧名称で書かれています。読むときは次のように置き換えてください。

旧名称 新名称
午前試験 科目A試験
午前Ⅰ試験 科目A-1試験
午前Ⅱ試験 科目A-2試験
午後試験 科目B試験
午後Ⅰ試験 科目B-1試験
午後Ⅱ試験 科目B-2試験

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※この表は IPA「令和8年度(2026年度)応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定について」 より

名前が変わっただけで、中身は変わっていません。 IPAは次のように明記しています。

各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数及び試験時間も同様に変更はありません。 (IPA「令和8年度(2026年度)…実施予定について」)

つまり過去問はそのまま使えます。「CBT化で問題が作り直される」と考えて教材を買い直す必要はありません。同じCBT移行は他の高度試験でも起きていて、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)とはでも同じ形の名称変更を整理しています。

後輩
CBTになると、記述式はどうやって解答するんですか?
先輩
会場のパソコンで入力するよ。手書きではなくなる。
後輩
じゃあ紙の過去問をやっても意味がないですか?
先輩
そんなことはないよ。範囲も問題の形も変わらないと公式が書いている。ただ入力で答える練習は別にしておくといいね。

日程と受験料:申込みは2027年1月27日から

IPAが公表した令和8年度の日程のうち、DBを含む後期の高度試験は次のとおりです。

項目 内容
申込受付期間 2027年1月27日(水曜日)から2027年2月27日(土曜日)
科目A-1・科目A-2 実施期間 2027年2月20日(土曜日)から2027年3月2日(火曜日)
科目B-1・科目B-2 実施期間 2027年3月16日(火曜日)から2027年3月28日(日曜日)
受験手数料 7,500円(消費税込み)
合格発表 2027年6月頃を予定

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※この表は IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」 より

日程で押さえておきたい3点

① 科目A群と科目B群は、別の期間に受ける。 IPAは「科目A群と科目B群は実施期間を分けて実施する予定」としています。科目Aは2027年2月20日から3月2日、科目Bは3月16日から3月28日なので、空くのは最短で2週間、日程の選び方では1か月以上になります。1日で終わる試験ではなくなった点は、体調管理や休暇の取り方に影響します。

② 申込みは前期・後期それぞれ1回だけ。 「前期試験、後期試験それぞれで複数の試験区分や複数回の申込みはできません」とされています。DBと他の区分を同じ期に併願することはできません。

③ 申込み時に科目A群と科目B群を同時に予約する。 後から片方だけ日程を決める形ではありません。申込みの時点で、2回分の予定を押さえる前提で考えてください。

後輩
科目Aで落ちたら、科目Bは受けなくていいんですか?
先輩
予約は同時にするから、日程は先に押さえておくことになるね。
後輩
じゃあ科目Aの手応えが悪くても、とりあえず受けに行くと。
先輩
そうだね。詳しい取り扱いは公式の案内が出てから確認するのが確実だよ。

難易度:合格率は直近4年で17%台から18%台

IPAの統計資料(令和7年度・推移表)から、秋期のデータベーススペシャリスト試験の数字を並べます。

年度(秋期) 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 8,445人 1,486人 17.6%
令和5年度 8,980人 1,664人 18.5%
令和6年度 10,120人 1,744人 17.2%
令和7年度 9,769人 1,796人 18.4%

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※この表は IPA「統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)」の統計資料(令和7年度)推移表 より

参考までに、同じ令和7年度秋期の応用情報技術者試験の合格率は24.5%です。DBはそこから一段下がる位置にあります。なお令和7年度秋期のDBは、応募者14,416人に対して受験者9,769人で、受験率は67.8%でした。3割強が申し込んだのに受けに来ていません。

何が難しいのか

合格率の低さは「知識量が足りない」だけでは説明できません。時間の配分を見ると、難しさの質が分かります。

  • 科目B-2は120分で1問。出題2問から1問を選び、2時間かけて解きます
  • 科目B-1は90分で2問。1問あたり45分です
  • どちらも記述式で、長い業務シナリオと関連表を読み解いてから答えます

つまりDBは、選択肢から選ぶ試験ではなく、長文を読んで設計意図を言葉で説明する試験です。断片的な暗記では歯が立たず、正規化・関係スキーマ・インデックス・排他制御といった基礎を「説明できる」水準まで持っていく必要があります。

科目A-1免除は必ず使う

IPAの免除制度では、次のいずれかを満たすと科目A-1試験(旧 午前Ⅰ)が免除されます。

  1. 応用情報技術者試験(AP)に合格
  2. 高度試験または情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
  3. 高度試験または支援士試験の科目A-1試験で基準点以上の成績をとる

免除できる期間は「条件を満たしてから、2年後の同時期試験まで」です。令和8年度後期については、令和6年度秋期から令和8年度前期までの合格者などが対象と公表されています。

⚠️ ここが落とし穴です。 IPAは「免除となる条件を満たしていても、「一部免除申請番号」を入力しなければ一部免除になりません」と明記しています。条件を満たしているだけでは自動で免除されません。 申込画面で合格証書番号などを自分で入力してください。

※この節の免除の内容は IPA「科目A-1試験免除 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験」 より

応用情報をまだ取っていない方は、そちらが免除の入口になります。勉強時間の目安は応用情報技術者試験の勉強時間にまとめています。


2027年度からどうなるか

IPAと経済産業省は、2027年度からの新試験制度の検討状況を公表しています。現在の応用情報技術者試験と高度試験は、大括り化したうえで内容が再編される予定です。

IPAは新制度を8試験区分で実施する予定としています。公表されている区分は次のとおりです。

新制度の区分 位置づけ
ITパスポート試験 内容変更
データマネジメント試験(仮称) 新設
情報セキュリティマネジメント試験 継続
基本情報技術者試験 継続
プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験 新設
プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験 新設
プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験 新設
情報処理安全確保支援士試験 一部の内容及び出題形式の変更

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※この表は IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」 より

この一覧に、データベーススペシャリスト試験という名前はありません。 現行の高度試験は「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の三つに再編されると説明されています。

ただしIPAは「DBがどの区分の後継になるか」を明言していません。 データを扱う区分としては、プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験があります。IPAはその評価対象を「組織やビジネスのデータドリブンな活動を支える基盤を構築してデータを整備する専門的な知識及び技能」と説明しています。表現は近いものの、同じ試験だとはどこにも書かれていません。 ここを断定している解説を見かけたら、出典を確かめてください。

免除には経過措置が検討されている

IPAは「現行試験制度で免除要件を満たした場合、一定期間、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験の一部科目を免除することを検討しています」としています。検討段階であって、確定ではありません。

新制度の開始時期

  • 2027年度春頃:ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験
  • 2027年度夏頃から秋頃:データマネジメント試験(仮称)、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の各試験、情報処理安全確保支援士試験

⚠️ IPA自身が「公表内容は現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」と断っています。この節の内容は確定情報として扱わないでください。


国家試験とベンダー資格は、代わりにならない

「DBが再編されるなら、代わりにORACLE MASTERを取ればいいのか」と考える方がいます。答えは、代わりにはなりません。両者は測っているものが違います。

  • データベーススペシャリスト試験:製品に依存しない設計・データモデリング・運用の考え方を、記述式で説明させる
  • ORACLE MASTER:Oracle Databaseという特定製品の仕様と操作を、選択式で問う

具体的に見たほうが早いと思います。当社が運営する演習サイト「エンジニア資格合格ラボ」のORACLE MASTER Gold 無料サンプルから1問を引用します。

FLASHBACK TABLE が ORA-08189 で失敗した画面と、解消方法を4択で問う演習問題
「エンジニア資格合格ラボ」の ORACLE MASTER Gold 無料サンプルにある1問(2026年9月時点の実画面)。FLASHBACK TABLE が ORA-08189 で失敗した状況を示し、解消に必要な操作を4択で選ばせている。

この問題が問うているのは「Oracleでは行移動を有効にしないとフラッシュバックできない」という製品固有の仕様です。エラー番号まで含めて具体的で、現場の復旧手順にそのまま重なります。

一方でDBの科目B-2は、こうした製品固有の話ではなく「この業務要件をどうテーブルに落とすか」「なぜその設計にしたのか」を言葉で書かせます。どちらが上ということはなく、証明したい能力が違うだけです。

筆者はORACLE MASTERのGoldを保有しています。Oracleを扱う現場では「運用管理を体系的に理解している」という客観的なラベルとして効いた実感があります。一方で、製品を問わない設計力を示したい場面では、国家試験のほうが通りが良いこともあります。片方が要らなくなるのではなく、示したい相手が違います。

グレードごとの違いはORACLE MASTER Bronze・Silver・Goldの違いと難易度にまとめました。DB領域のキャリア全体はデータベースエンジニアのキャリアと将来性で整理しています。


働きながら、どう組み立てるか

2026年度のDBは後期の1回だけです。逆算すると、準備期間は次のように区切れます。

ステップ1:受けるかどうかを先に決める。 現行制度で受けられるのはこの1回です。「次の秋期に」という選択肢が無いので、判断を先送りすると受験機会そのものが無くなります。

ステップ2:免除の有無を確認する。 応用情報や他の高度試験に合格しているなら科目A-1が免除されます。免除があるかどうかで、科目Aに割く時間が大きく変わります。

ステップ3:科目B-1と科目B-2に時間を寄せる。 合否を分けるのは記述式です。科目Aは過去問の反復で届きますが、記述式は書いてみないと伸びません。答案を書き、模範解答と比べる時間を確保してください。

ステップ4:入力で答える練習をする。 CBTでは記述式もパソコン入力です。紙に書くのと、画面で推敲しながら入力するのは別の作業です。

働きながら資格の勉強を続けるコツは働きながら資格の勉強をする方法に、資格全体をどの順番で取るかはエンジニア資格 取得ロードマップにまとめています。


よくある質問

データベーススペシャリスト試験は2026年度で終わるのですか?

IPAは「現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度に移行する予定」と公表しています。公表されている新試験制度の区分一覧にデータベーススペシャリスト試験の名前はありません。ただし現時点の検討状況であり、変更が生じる場合があるとIPAが明記しているため、受験前に必ず公式で確認してください。

2026年度のデータベーススペシャリスト試験はいつ受けられますか?

後期試験です。IPAが公表した日程では、申込受付が2027年1月27日から2月27日まで、科目A-1・科目A-2の実施期間が2027年2月20日から3月2日、科目B-1・科目B-2が3月16日から3月28日です。合格発表は2027年6月頃を予定と公表されています。詳細な日程は変わることがあるため、申込前に公式ページを確認してください。

午前Ⅰ・午後Ⅱという呼び方はどうなりましたか?

科目名が変わりました。IPAによると、午前Ⅰ試験は科目A-1試験、午前Ⅱ試験は科目A-2試験、午後Ⅰ試験は科目B-1試験、午後Ⅱ試験は科目B-2試験へ名称変更される予定です。ネット上の対策記事は旧名称で書かれているものが多いので、読むときは頭の中で読み替えてください。

過去問はそのまま使えますか?

使えます。IPAは「各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数及び試験時間も同様に変更はありません」と明記しています。変わったのは受験方式(CBT)・実施時期・科目名です。ただし記述式をパソコンで入力する点は紙と違うため、解答を書く練習は必要です。

合格率はどれくらいですか?

IPAの統計資料(令和7年度・推移表)では、秋期のデータベーススペシャリスト試験の合格率は令和4年度17.6%、令和5年度18.5%、令和6年度17.2%、令和7年度18.4%です。直近4年は17%台から18%台で推移しています。同じ令和7年度秋期の応用情報技術者試験は24.5%なので、一段難しい位置づけと見てよいでしょう。

まとめ:データベーススペシャリスト試験の現在地

  • 現行制度は2026年度で終了予定。DBは後期(2027年2月頃)に1回だけ実施される
  • CBT方式へ移行。午前Ⅰ・午後Ⅱは科目A-1・科目B-2へ名称変更された
  • 範囲・出題形式・出題数・試験時間は変わらないとIPAが明記。過去問はそのまま使える
  • 合格率は直近4年で17.2%から18.5%。難所は記述式(科目B-2は120分で1問)
  • 科目A-1免除は申請番号の入力が必要。条件を満たすだけでは免除されない
  • 2027年度の新制度の区分一覧にDBの名前は無いが、どれが後継かをIPAは明言していない

制度の切り替わりに重なる試験は、どうしても古い情報と新しい情報が混ざります。IPAの公式ページで確かめられることだけを土台にするのが、結局いちばん遠回りになりません。資格そのものを取るべきか迷っている方はエンジニアに資格は意味あるのかもあわせてどうぞ。


参考


免責:本記事は執筆時点(2026年9月)でIPAが公表している情報をもとに整理した情報提供であり、特定の合格・成果を保証するものではありません。試験制度は移行期にあり、実施方式・日程・受験手数料・免除制度・2027年度の新試験制度は変更されることがあります。とくに新試験制度の内容はIPA自身が「現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」と明記しています。筆者はデータベーススペシャリスト試験を保有しておらず、本記事は受験体験記ではありません。受験・申込みの判断は必ずIPAの公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。